Hardcover: 181 pages
Publisher: Waser
Language: German English
ISBN-10: 3908080363
ISBN-13: 978-3908080367
Product Dimensions: 23.5 x 23.5 x 2 cm
Release Date: 1993
Price: $280 USD (¥30,800 JPY)
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Condition: very good (Pre-owned)
As shown in the photos, there is a very slight crease at the top of the back cover of the dust jacket, but overall the item is in very good condition.
Design books and art books continue to rise sharply in price, making it impossible for anyone to buy everything they want, in unlimited quantities. However, if I were to recommend just one book in all honesty as a reference for graphic design, this would unquestionably be the one.
From the typography of the table of contents set in Futura, to the extremely lightweight rules placed above the page numbers, and above all to the extensive body of work by Odermatt & Tissi Tissi that forms the core of the book, this volume is one that designers will return to again and again—no matter how experienced or accomplished they may be.
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コンディション: 良い(カバー背上部に微細な折れがありますが、全体的にとても良い状態です)
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具体的なメッセージを抽象形態に盛り込む作業を繰り返しながら、常に攻撃的な作品を創り続けている、オーダーマットとティッシの作品の絶妙の冴えは、そのオーソドックスなアプローチにも関わらず、われわれに対して常に新鮮で、刺激的だ。
メッセージがストレートの飛び込んでくる。それでいて表現は柔らかくて楽しいし、あくまでおおらかな雰囲気をたたえている。私は子供の絵本を見ているときと同じ様な気持ちにさせられる。
このおおらかな雰囲気を最期まで保ちながら構成的な仕事を完成されられることは、至難の技といええる。往々にして技術的な経験が表現衝動より勝ると、すぐにその技術的な経験から生ずる作家の見栄が、表現の肝心の部分をそぎ落としにかかる。一見すると完成度が上がったような気になるが、その分メッセージが技術の裏側に隠れてしまう。つまりテーマに対する解釈の程度の差が、いわゆる筆の置き時(彼らの場合にはナイフだろうが)を間違えさせることになる。特に構成的な作品になるとこの傾向が強く、単にギスギスしただけの散々なめに陥る。この表現衝動と技術的経験のジレンマを、彼らはナイフ一本で見事に調和させている。
奇をてらっただけの陳腐なアイデアとか、流行の表現、印刷技術に対する過度の期待といったこととは無縁なところに彼らは立っている。彼らのアイデアは、じつに自分たちの身の回りにあるちょっとしたものなのだ。すこし手を伸ばせばすぐに手に入るもの、だからその表現形態が構成的であるにもかかわらず、それでいて作品は強力な説得力を持ち得ている。このことは抽象的な創造理念といった類のものではない、メッセージを受け取るであろう人々への優しい心配りといった、じつに素朴な製作態度によるものだと私は考える。
画面上の全ての要素は、いったんバラバラに解体され、メッセージの論理的な帰着と、その都度、そのテーマに対する造形的な一致がみられるまで無法則に画面上を動きまわる。動きまわるというより、動きまわらされているのだろう。ある一定の法則をもたせて動かしていたらなら、絶対に定着できないほどに、その結果は従来の構成方法に比べてとても自由だ。時には文字が絵となる。音の記号としてのアルファベットに最もシンプルなテクニックによって具体的な意味が重ねられる。またなんの目新しさもない万国共通のサインとか形態、色彩は、タイポグラフィとの独特の絡み合いの中で、三次元的な構成処理によって新たなイメージとして再生される。
1950年代から今日に至るまでオーダーマットとティッシは、全てのことを自らの「手」によって成し遂げるという制作姿勢を崩していない。多人数の協力なしには一つの作品もできあがらないという、現在の制作システムからすると時代がズレているようにも見えるが、非個性的なデザインがあふれかえっている中で、彼らのかたくなな姿勢から生み出される作品は、ひときわ光彩を放っている。グラフィックデザインの楽しさと可能性を、まざまざと見せつけてくれる。心がワクワクしてきて自分もいっちょやったるかといった気にさせてくれるのだ。
新島 実
「クリエイション」N.5 1990年より


